枯木に花が 団鬼六


    団鬼六の「枯木に花が」は、異世界に行かない老人版「なろう」小説。

    元銀行員の耕二は、定年退職後は東京の息子夫婦に世話になっていた。
    かつての同窓生である源五郎は、学校退学の危機に陥ったときに、父親と一芝居うってそれを免れた変わり者で、耕二に老人の性について説く。
    乗り気ではなかった耕二だが、源五郎に連れられて参加した老人向けの合コンで、艶子という愛人を作ってしまう。
    息子夫婦に愛人のことを咎められた耕二は、家を出て独立を決意する。

     序盤は耕二が破天荒な源五郎に振り回される印象がありますが、艶子を愛人にする決意をしてからは、耕二が暴走していきます。源五郎は愛人を持とうとする耕二を止めたり、そのあとは耕二のために仕事や新居の世話をする便利屋の役に徹します。

     読者としては、この耕二に感情移入して読むのが楽しいです。

     それまで平凡な人生を送ってきた老人が、若い女子大生を愛人にするという、理想小説です。よく「なろう」小説は批判されますが、自分の理想を創作で描くのは非常に一般的なことだと思います。きっと批判している人は、創作しない人たちでしょうし、耳を貸す必要も無いですが。

     残念なのは、中盤以降の、艶子を愛人にしてからの展開が急で、薄いということです。SM要素がありますが、これは著者からファンに向けたサービスのようで、とってつけた感があります。
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    [ 2018/07/26 11:16 ] 読書 | TB(-) | CM(0)

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