ミレニアム3 上・下 スティーグ・ラーソン


    ミレニアム3 上・下 スティーグ・ラーソン

    決着のついたこと
    ・リスベットの問題
     リスベットの権利、容疑、過去の扱いなど、彼女にあった不自由なところや、不名誉なところがすべて解決した。あまりにも一気にすべてが解決したので、これでシリーズ完結となっても納得するぐらいだ。

    ・1-3の流れ。第一部
     ミレニアム1でミカエルとリスベットが出会い、ミレニアム2でリスベットの問題が示され、ミレニアム3でその全てが解決した。しかし著者にはミレニアム5までは構想があったようで、個人的にはこのミレニアム3までが第一部なのではないかと思った。

    ・ミカエルとリスベットの冷戦
     リスベットからの一方的な、一年以上にもおよぶ冷戦も終わった。リスベットはもうミカエルになんの感情も抱いていない、と思っているようだが、アニカの指摘は次なる戦いを予感させた。


    今後の展開
    ・雑誌〈ミレニアム〉
     人事上の問題――は短期間で元の鞘に収まる形で解決した。しかしミカエルの行動に伴う莫大な経費という新たな問題がみえてきた。しばらくは新たなスクープでこれは覆い隠されるだろうが、今後はどうなるのだろうか。

    ・ミカエルの女性関係とリスベット
     また新しい女性と関係をもったミカエル。しかも今度はミレニアム1、ミレニアム2と違って、本人の口から本気かもしれないという言葉が飛び出した。リスベットはもうミカエルのことは気にならない、と思い込んでいるようだが、あらかじめ知っていたミカエルとエリカの関係とは違い、別の女性に本気になったミカエルをみたら、今度はどうなるのだろうか。

    ・カミラと異母兄弟姉妹
     リスベットの問題はおおよそ片付いた。しかし何度もその存在に触れられている妹のカミラ、ザラチェンコが語った異母兄弟姉妹(妹はいなかったかも)は今後、きっと登場するだろう。とくに異母兄弟姉妹はザラチェンコの犯罪ネットワークに加わっているようなので、新たな火種になるであろうことは想像に難くない。


    読むことのできなくなった続き
    ・フェチな女性
     ミカエルが新しく関係をもった女性、モニカ・フィグエローラ。刑事。36歳。184センチ、明るいブロンドの巻き毛を短くカットしている。整った顔立ち。17歳のときには陸上選手としてあと一歩でスウェーデンの代表に選ばれるところだった。美人なだけでなく余暇に趣味として法学を学び、政治学の学位をとった。しばらくトレーニングをせずにいると禁断症状がでるほどで、10年ほどボディビルをしていた。
     リスベットもかなりフェチ向けの女性だったが、正反対の女性を著者のスティーグ・ラーソンは登場させてきた。果たしてこのあとも、なんらかのフェチな女性を登場させるつもりだったのだろうか。

    ・ミステリ/警察小説・サスペンス/ポリティカル・サスペンス
     編集者のラッセ・ベリストレムは、出版前のミレニアム・シリーズの原稿を読んで、
    「おおざっぱに言って、第一部はオーソドックスな密室もののミステリ、第二部は警察小説・サスペンス、第三部はポリティカル・サスペンスだと言えるだろう」
    と評したそうだ。まったくその通りだと思う。
     ラーソンはこのあとはどうするつもりだったのだろうか。リスベットの妹のカミラが外国に行ったことが作中で語られていたし、なんとなくアメリカに行ったりきたりする、世界を股に掛けるワールドワイド・サスペンスになったのではないだろうか。

    ・著者
     スティーグ・ラーソンはミレニアム1の出版前に亡くなった。出版契約の段階でミレニアム5までの構想はあって、亡くなったときにはミレニアム4の四分の三ほどの下書きはできていたそうだ。
     現在は別の作家の手で続編が書かれている。
     もしかしたら将来、なんらかの形で構想メモや下書きを目にすることはできるかもしれない。
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    [ 2018/05/20 21:18 ] 読書 | TB(-) | CM(0)

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