マジシャン 完全版 松岡圭祐 / ガラスの鍵 ダシール・ハメット、大久保康雄翻訳


    マジシャン 完全版 松岡圭祐

     目の前で札束が倍になる。というわけのわからない話からはじまるストーリー。

     話のオチというか黒幕は、大味といえばそうだけど、エンターテイメントといえばそれもまた真。好みはわかれそうですけど、これくらいなら私は許容範囲でした。

     面白かったのは、この作品を映像化しようと何度も著者に話が持ち込まれていること。作中で手品の種明かしについて登場人物が批判的に何度か喋っているんですけど、本当に読んでいるんでしょうかねぇ。もちろん主人公である薄幸の天才少女マジシャンというのは映像化するにはオイシイんでしょうが、なにを隠そう、その人物こそがテレビの種明かしに批判的なんですけど。

     手品界隈の話として、手品をみせるとトリックを当てようとしたり、騙されたと怒りだす人がいるというのは、プロレスを真剣勝負じゃないと言うような人たちなんでしょうかね。まぁ昔のプロレスでいえば真剣勝負だとさんざんアピールしていたので、批判されてもしかたがない面はすこしはあるのかもしれませんが、手品を楽しめない、謎解きと勘違いしている人はちょっと寂しいですね。

     最近、翻訳ものを多めに読んでいたので、こういう読みやすい日本の著者の作品を読むと落ち着きますね。読みやすく、テンポもよかったのでぐいぐい進めました。

     この著者、ほかにも多数の作品があるので読んでみようと思っているのですが、催眠術に関する著作もあるようなので、そのうち読んでみたいですね。




    ガラスの鍵 ダシール・ハメット、大久保康雄翻訳

     ハードボイルドもの。

     不器用な男が、暴力にさらされ、女には好かれる、みたいな話。ハードボイルドというか、好きな人には好きな骨子といったところですかね。

     主人公であるネド・ボーモンの一途なまでのポール・マドヴィッグに対する献身は、日本人がすごく好きそうだなと思いました。

     あとやっぱり金持ちっていうのは、悪者ポジションなんだなと。「だから最初に言ったじゃないか」という感じです。

     著者はこの自作が一番のお気に入りらしいです。私もけっこう好きだったので、読んでみて損はないと思います。
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    [ 2018/04/14 21:18 ] 読書 | TB(-) | CM(0)

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